持続可能な開発目標「SDGs」に関する取り組みが重視されている今、風力発電の普及が世界的に広く拡大しています。

風力発電は温室効果ガスを発生させない環境に優しい発電方法として知られている一方で、ブレードを回転させるために必要な風を確保できる場所が限られていることや、騒音被害が発生していることが大きな課題となっていました。 そこで注目され始めたのは、地域経済活性化を目的に、Influx Incが事業として進めている「洋上風力発電」です。

今回は、Influx Incがどのような会社なのか、取り組んでいる事業の内容などについてご紹介します。

Influx Incの狙いとは

再生可能エネルギーには様々な種類がありますが、日本で馴染みのあるものと言ったら太陽光発電が挙げられます。 一方で、世界的に主流なのは風力発電となっており、その中でも洋上風力発電は「REN21」の年次報告書によると、世界全体での導入状況が2010年から2020年までの10年間で約10倍以上増加しています。

では、風力発電はなぜ日本での普及率の割合が低い再生可能エネルギーだったのでしょうか? 日本は、陸上風力発電を設置するのに適した土地がすでに開発済みであることが主な理由として挙げられます。 仮に、開発が行われるとしても、新たに輸送用の道を作らなければいけないため、コストが割高になってしまいます。

 また、風力発電の普及率の割合が高い国々と比較すると、日本は人口密度が高いことも要因の一つです。 そのため、人々が住む場所から少し離れた場所に発電所を設置するといったことも多く、電波障害や景観阻害が問題視されています。日常生活における様々な影響が出てしまうことから、風力発電の普及が進んでいませんでした。

そんな中、Influx IncはSDGsを重視した大規模洋上風力発電の持続可能な開発に取り組んでいます。 洋上風力発電とは、海洋上に風力発電に必要な風車を設置し、風の力でモーターを回すという仕組みです。 海洋上は陸上と比べると持続的に大きな風力を確保できる他、騒音被害が防げるといったメリットがあり、これまで風力発電が抱えてきた課題を解決できます。

Influx Incは現在、国内で6つの海域に洋上風力発電所の建設を予定しています。 代表取締役を務める星野敦氏は、再生可能エネルギー分野で10年以上の経歴を持ち、アジア全域で太陽光発電や風力発電を開発する会社を運営している人物です。

星野敦氏の考え

再生可能エネルギー分野において、様々なプロジェクトの開発に携わっている星野氏は、機関投資家の代表としても運営を行っていることから、豊富な経験や実績を持っている人物だと分かります。 現在、Influx Incの代表取締役を務めており、国際事業部共同CEOのジョイビショーンをパートナーに迎え、太陽光発電および風力発電のプロジェクト開発を行っています。

豊富な経験、実績を持つ星野氏は自身が進めている事業についてどのように考えているのでしょうか? 再生可能エネルギー分野で経験を培ってきた星野氏は、洋上風力発電が普及することで脱炭素社会を実現できると考えています。 脱炭素とは、地球温暖化の原因となっている二酸化炭素などの温室効果ガスを減らすことを目的とした取り組みです。

具体的には、炭素の排出が多い化石燃料の使用を控えるといった取り組みを行っています。 日本でもグリーン社会の実現を目指し、様々な取り組みが行われていますが、星野氏は脱炭素がアフターコロナの社会において、新たな成長源になると言います。

地域経済活性化に期待ができる

洋上風力発電は一般的な風力発電と比較すると、設備建設にかかるコストの低さや土地・道路整備が不要であることがメリットとして挙げられます。 風力発電の設備には2~3万点の部品が必要となり、発電所の事業規模が数千億円になる可能性も考えられます。 このような場合、期待されるのが経済波及効果です。

日本風力発電協会の計算によると、2030年までに洋上風力発電が1000万kW導入された場合、累計で13~15兆円程度の経済効果が見込めると言います。 また、大規模な自然電源となる洋上風力発電所の開発にあたって、地域経済の循環や雇用創出に与える影響力は絶大です。

しかし、開発計画を進めるためには、まずは海の先行利用者である漁業と共存していかなければいけません。 漁業関係者との理解や協力は必要不可欠となるため、Influx Incでは「IFAI(Influx Fulvic Acid Iron)」を設立しました。 風力発電の開発を行う上で、環境にどのような影響を与えるかは非常に重要なポイントになります。

この事業ではフルボ酸鉄を活用して、海洋環境再生を目指すといった環境保全や地球温暖化問題にも向き合っています。 フルボ酸鉄は、プランクトンや藻の成長に必要な窒素を吸収するための触媒の働きをする物質です。 通常、森林で時間をかけて生成されますが、Influx Incではフルボ酸鉄を人工的に作っており、環境再生に取り組んでいます。 近年、環境汚染として問題となっている沿岸地域の磯焼けも、このフルボ酸鉄で解決できます。

水素活用の社会を目指して

Influx Incでは現在、北海道から九州までの6つの海域に洋上風力発電所を建設することを予定しており、今後も持続的な成長を支えるために必要な産業だと星野氏は言います。それを実現するためのモデルとして、カーボンフリーポート構想が生み出されました。 世界的に普及が進んでいる洋上風力発電ですが、一概にメリットばかりではありません。 年中風が吹くというわけではないため、季節によっては発電量が少なくなってしまうことも考えられます。また、強風の際には安全面を配慮し、操作を停止しなければいけないため、常に一定の風を確保することは難しいのです。

そのような場合に備えて有効なのが、グリーン水素です。 洋上風力発電による電力からグリーン水素を製造することで、発電量を均一に供給できるような主電力化を目指しています。 これが実現すると、電力を長期的に貯蔵できるようになります。 万が一、風を確保できず発電所としての機能を失ったとしても、グリーン水素が貯蔵されていれば問題ありません。

グリーン水素は、水を電気分解し、水素と酸素に還元することによって生産されるため、二酸化炭素を排出させることなく利用できます。 さらに、地球環境において大きな課題となっている二酸化炭素の排出量ですが、グリーン水素を利用することによって、使用量の削減にも貢献します。

近年、新型コロナウイルスの影響により、地域経済は大打撃を受けている状況です。 Influx Incは地域復興グリーンスタートを計画し、そのモデル地区として「水素アイランド」を目指している九州を選びました。 星野氏は、今後日本の景気がV字回復するように全力で取り組んでいくと公言しています。

まとめ

今回は、Influx Incが進めている洋上風力発電と地域経済活性化についてご紹介しました。 洋上風力発電は世界的に注目されている再生エネルギーですが、日本での普及率はまだまだ低いのが現状です。 洋上風力事業が目指す、地域社会、海洋環境、自然環境、漁業の未来は、地域経済の活性化に大きく貢献すると考えられます。

また、景気に左右されない自然エネルギーが、地方に活力とイノベーションをもたらすことに非常に期待が集まっています。 今後、日本での洋上風力事業はどのような成長を遂げていくのでしょうか?